ヘッドセット主流の時代は終わった?
FPSゲームはヘッドセットでプレイするのが当たり前。もはや何の疑いもなく常識であり、勝ちたいのであれば当然の選択となっています。筆者もたぶんに漏れず、ヘッドセットを利用していました。では、なぜヘッドセットでのプレイが当たり前なのでしょうか。
- 仲間とコミュニケーションをとるためのマイクがついている。
- 足音などの小さな音が聞き分けられやすい。
- 銃声や足音の方向が聞きやすく敵の位置を把握しやすい。
- 実生活の環境音が遮断されゲームに集中ができる。
- 耳が暖かい。
この4点が主な理由ではないでしょうか。だが近年、イヤホン環境でFPSをプレイするプレイヤーが多く見受けられます。恐らくはFPSゲームを主に配信している顔出し有りの有名配信者たちの影響でしょう。彼らは上記5点のアドバンテージがありながらもイヤホンでのプレイを選択しています。今回はその理由と、そしてイヤホン環境には必須となる「サウンドカード」についてお話ししたいと思います。
ヘッドセットはFPSゲームにおいて優位性があるのか
『バーチャルサラウンド』とは
複数チャンネルの音声トラックのソフトを少ないスピーカ数(ステレオ2chなど)で 仮想的に複数スピーカで再生した時に聞こえるような音響空間を視聴者の聴覚に実現する技術
早速ですが、近年明るみになってきたバーチャルサラウンドの事実について触れたいと思います。FPSを遊ぶようになってから、『7.1chバーチャルサラウンド』や『5.1chバーチャルサラウンド』という言葉をよく耳にするようになりました。前述したとおり、FPSゲームでは「足音」の大きさ、そして「方向」が最重要事項となっています。そのため、足音を聞き分けられやすいと言われるゲーミングヘッドセットが流行っています。バーチャルサラウンドとは、右耳と左耳にあるスピーカー2個をPC側のソフトを駆使し無理矢理全方位から聞こえているようにする、そんなシステムとなっています。決してヘッドセットのスピーカーに複数のスピーカーが内臓しているわけではありません。つまりは、各ゲーミングデバイス会社が全方位から聞こえているようにするソフトをヘッドセットとセットで販売しているのです。
実際に前後左右から聞こえているわけでなく、あくまで臨場感を味わうシステム
しかし、世の中には『7.1chリアルサラウンドヘッドセット』という代物も存在します。こちらはヘッドセット内部に7つのスピーカーを内臓しています。筆者の知る限り、ゲーミング用デバイスとして世に認知されているのは下記2点のみではないでしょうか。しかし、コンテンツ側がリアルサラウンドに対応している必要があります。
バーチャルサラウンドと定位
定位 (Localization)とは
音を知覚するときに、その音源の方向が特定できるときに音の方向が定位されたという。ステレオ再生やマルチチャンネルオーディオ再生においては音源の位置すなわち楽器音や人の声がやってくる方向や距離感が定まること。
FPSゲームにおいて最も重要となるであろう定位。筆者がリサーチしたところ、この結論に至りました。
定位感とバーチャルサラウンドに相互関係はない。
バーチャルサラウンド環境下では、無理矢理全方位から聞こえているようにししているせいか、定位感の明瞭さがなくなり、方向がボヤけてしまいます。では、どうやって定位感を知覚しているのでしょうか。答えはこのふたつではないでしょうか。『FPS用に最適化された音響設定』『高品質な音』これがゲーム用に発売されているゲーミングヘッドセットが定位を知覚しやすいと言われる理由です。足音などの音の帯域をより強調し聞き分けやすくし、音質を向上させ人間の脳が現実世界の音に感じてしまう音質…これが定位感を生んでいるのです。
FPSゲームにおいて、イヤホン環境はありか、なしか
ヘッドセット自体には足音や銃声の方向を認識できる機能は存在しない。つまるところ、こういうことです。ヘッドセットである理由は、下記に絞られてきました。
- 仲間とコミュニケーションをとるためのマイクがついている。
- 実生活の環境音が遮断されゲームに集中ができる。
- 耳が暖かい。
マイクが別途用意でき、実生活の環境音が気にならず、多少耳が寒くても構わない、そんなひとはヘッドセットである理由がないことが分かります。そして、前述した定位感を把握させやすくするための『音質の向上』。ここからがこの記事の本題中の本題、『サウンドカード』のご紹介となります。
サウンドカードとは
サウンドカードには、USB接続型とマザーボードに直接取り付けるPCIスロット型の2種が存在します。その名の通り、音質を物理的に向上させるPC増設パーツのことです。FPSプレイヤーにとっては、足音や銃声の方向、聞き分けられやすさが向上するため、グラフィックの向上以上に恩恵を感じられるかもしれない、そんな夢のあるパーツとなっています。
ただ、当たり前ですがサウンドカードを取り付けたからといって『リアルサラウンド』になるわけではありません。サウンドカードにももちろんソフトが付属し、ソフト側でFPS用に最適化された音響設定が楽しめます。
視覚=グラフィックボード 音質=サウンドカード
ゲーミングヘッドセットとサウンドカードを同じ土俵で評価するのであれば、その差分は、マザーボードにはない「音質」そして「多彩な出力系統」、「付属ソフトでの操作性」以上ではないでしょうか。簡単に言うと、グラフィック面での内蔵GPUからgeforceGTXなどのGPUに乗り換えたくらいの気分といっても差し支えないでしょう。
サウンドカード比較
さて、筆者はサウンドカードに『Sound BlasterX AE-5』を選びましたが、環境によって選択肢はいくつもあります。その中でも筆者が迷った商品をご紹介します。
製品名 | Sound BlasterX AE-5 | Sound Blaster ZxR | STRIX RAID | GSX 1000 | Sound BlasterX G5 |
メーカー | CREATIVE | CREATIVE | ASUS | ゼンハイザー | CREATIVE |
製品 | |||||
市場価格 | 約16,000円 | 約18,000円 | 約21,000円 | 約20,000円 | 約11,000円 |
タイプ | 内臓 | 内臓 | 内臓 | 外付け | 外付け |
インターフェース | PCI Express | PCI Express | PCI Express | USB | USB |
サラウンド ※1 | 5.1chリアル/7.1ch | 5.1chリアル/7.1ch | 7.1ch | 7.1ch | 5.1chリアル/7.1ch |
出力レート ※2 | 32bit/384kHz | 24bit/192kHz | 24bit/192kHz | 24bit/96kHz | 24bit/192kHz |
ミニプラグ端子 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
RCA端子 | ○ | ||||
光デジタル端子 | ○ | ○ | |||
補足 | 最大の特徴は抜きん出た出力サンプリングレート。内蔵ながらもコストパフォーマンスに優れ、流行りのイルミネーション対応。筆者愛用の品です。ゲーム用途としてはオーバースペック。 | 筆者はこの商品と最後まで悩みました。手元に置けるコントロールデバイスが最大の利点。出入力、そしてボリュームコントロール、マイクミュート…欲しい機能が手元で扱えます。 | 現在、内臓型サウンドカード市場においてCREATIVE製品の唯一の競合商品。相性問題でクレームがいくつかある件が気になるが、安心と信頼のASUS社という点に今後の期待を感じる。 | 言わずもがな。ゲーミングヘッドセット界でプロから多数の支持を得ているゼンハイザー社のサウンドカード。USB接続という点が筆者の希望と合わなかったため見送った。 | USB接続にも関わらず出力レートが高く、コストパフォーマンスもかなり良い。 |
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※1 無印:バーチャルサラウンド
※2 出力サンプリングレート
サンプリングレートとビット深度
データ上の音というのは、1秒を何万分割にしてそれを1つ1つのデータとして採取していったものです。この○分割してというのをサンプリングレートと呼びます。分割数(kHz)が多ければ「滑らかな音」になります。そして1つ1つ分割したデータにどれだけの容量を与えるかという数値がビット深度と呼びます。ビット深度(bit)が高ければ音の細かさや大小が上がります。ただコンテンツ側が対応していなければならないのは注意点。お持ちのマザーボードを調べ、是非数値を確認し、上記のサウンドカードのレートと比較してみて欲しい。
サウンドカードは買いか?
控えめに言って、恩恵は必ずある、これが筆者の答えです。サンプリングレート出力の数値から分かる通り、まず間違いなく音質が向上します。グラフィックボードを購入するのかしないのか、この答えがそのまま当てはまるレベルで世界が変わります。世の中にオーディオ厨が存在し、オーディオ沼という言葉があるのも納得。
コンテンツ次第だがコンテンツの上限は手中に収めたい
また、サウンドカードを買う際には以下の点に気をつけなければなりません。
- 内蔵の場合、PCI Expressのスロットは空いているのか。(グラボを差す枠)
- 愛用している音響デバイスはUSB接続なのかミニプラグ端子なのか。
- 出力環境(マイク)はどうするのか。
いかがだったでしょうか。今回、サウンドカードについて調査し、筆者も色々なことが分かり、新たな知識を得ることができました。もちろんgoogle先生頼りなので間違いがあるかもしれません。今さらながらこの記事は筆者の個人的見解であり、事実ではないかもしれないことをご理解ください。後日、『Sound BlasterX AE-5』の使用感、イヤホンの紹介などを書いた記事をアップいたします。そちらも合わせて読んでいただければ幸いです。;
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